ふたり(以下または以上の)
樹々の肥やしになったあなたを、右頬をブツことで目覚めさせた時、俺は手に持ったスコップを自分に突き刺したのだった。
1
あなたの右腕はすでに使い物にならなかったから、俺は血でドローイングした。二度と動かないように。
2
家に連れて帰ると、何か話そうとしたあなたは、俺が現像したフィルムを見て、話すのをやめた。たぶん、言おうとしていたのは、こんなの。
「反知性主義ってどこへ行ったの?」
3
ついに尽き果てたあなたは、事前に準備していたものを俺に渡した。数百枚のドローイング、詩、アフォリズム。全て燃やしてくれと。俺はそんなこと、今も出来ていない。実はこの文章も、あなたのものだってこと、皆に白状するよ。あーあ。
5
いや、どこまでが俺の文章でどこまでがあなたの文章なのかまでは、明らかにしない方がいいだろう。あなたに読まれては困るからね。