ベイビー、逃げるんだ!(チャボの名前でチャボを呼んで)


エマを風呂に入れていると周りがひらけた。気づけば湿地帯にいたが、全裸だったおかげでムシムシしなかった。そこで三ツ矢サイダーを一気飲みすると現実に帰ってこれたが、エマは消えていた。

「探しに行くついでに」
うどんを食いに行くと、なんとそこでエマが蕎麦を食べている。よくできた良い子だなあと感心していると、エマが走って店外に出たので、慌てて店主に支払おうとすると、前払い制だった。

「ベイビー・ゴーン」
エマを追いかけて大丸の地下に入ると、仙太郎の前でエマがつまみ食いしているのを見つけ、慌てて支払おうとすると、既にお金を渡して食べていた。どんだけ食いしん坊なのだろうか、それとも俺の早とちりが続いたのだろうか。とはいえ、親の心配というのは、こういう事を言うのだろうと思った次第。

「ベイビー・ベッド」
が届いた。これを祭壇に見立て、韓国のジャズを聴きながら遮二無二踊っているとYさんはこう言う。「あなたの踊りは嘘みたい」俺は自信があった。「嘘の上に舞台がある」俺は自信があるだけに、踊って見せたが、嘘の上の舞台でYさんを喜ばせることはできなかった。やけくそで全裸になり下半身をひっくり返して舞うと、エマは泣き笑い、Yさんは食器を投げてはしゃいだ。これでいいのだ。


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