俺の干しぶどうの夜たち(マイ・ブルーベリー・ナイツ)


傷だらけの天使』の屋上でバーベキューしたらこんな感じなのだろうか。なんてことを思っていたかは忘れたが、寒さに凍えていたのは確かだった。ちょうちんに照らされ、ホットプレートで焼かれる生きた肉たちは、俺たちが昭和にいることを意味している。

ボビー・オロロロは名前だけ見ればアフリカ系の男性だが、実は女性で栃木へ嫁いだ。ボストン・ストロング夫妻や、トミー・ザ・ジャイアント、五反田の姐やんとともに、オロロロを祝う日が昨日。寒空は膀胱を冷し、尿道を温める。誰も彼ものションベンはその辺に撒き散らされていた。

「ウェルメイド」
茂みをかき分けるとアヌスがこちらを向いており、俺たちは見つめ合うでもなく笑いあった。この日の議題は《『うんこ漢字ドリル』『おしり探偵』の次はなにか?》であり、俺は『ちんこカブト虫』『ギャランドゥエイリアンとファーブル博士』しかないと考えていたが、皆は『スペルマおじや』一択だった。「おじやを食べさせる爺や」の話。この誰も得しない嘘で誰かを救えたら幸せだと感じる。無理だろうけれど。

「ブルーベリーパイがバニラアイスと混じりあう」
様子が逆方向から唇を重ね合う男女に見えるという発見をしたウォン・カーウァイは、女性を中心に据えると退屈になってしまうという欠点をアメリカで晒してまでも、皆に自慢がしたかったのだろう。それだけ、この発見は美しく、グロテスクですらある。唇といえばディクテ葵衣姐さんなので、ぜひ見てほしい映画だ。彼女に同世代三詩人詩集の表紙を頼んでいる。この映画におけるブルーベリーパイのように選ばれないが置いておきたい詩集になれば良いとは思わない。笑 選ばれてこそ、読まれてこそ、である。色んな人の助けを借り、美しい詩集に近づいている。

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