ツイッター(武器)よさらば

f:id:sumogurishun:20180701021759j:plain

(写真は愛する詩人が撮ってくれた。エグい数の人が見るかもしれない日記にエマは載せない。晒されるのはもう俺と壁だけでいい。笑)


エマの成長を創作で記そうと始めたこの日記に、まさか地震という物凄い現実が介入してくるとは思いもしなかった。ただ、昭和20年頃に建てられたこの家(入居時に素潜り邸と名付けた)に住む限り、地震が来たら危ないだろうという意識は常にあり、その時にこの家にいたら死ぬかもしれないと思っていたが、茨木市に直撃することはないだろうという牧歌的な考えを持っていたことも事実である。安い家賃で平屋に住めるのは魅力的であったし、駅から徒歩五分、近くにはスーパーや味の良い飲食店が並び、友人知人が羨む家に住むことは、多少危険を侵してでも住みたいほど、魅力的だった。


日々の泡が全て流れていく。取り壊すことを大家に告げられた帰り、自転車を漕ぎながらYさんと笑うしかなかった。家を失うと、溢れるのは涙ではなく笑顔である。涙はその前、もしくは後だ。

素潜り邸は沈んだ。途轍もないものが落ちたような、『インセプション』のような夢の中であれば有り得るほど衝撃が、ごみ出しの為に外に出た直後に襲い、俺は振り返れなかった。崩れている気がしたから。Yさんの名を叫ぶと、エマを抱えて出てきた。素潜り邸は沈まなかった。

この時のエマが埃かぶっていたからヤベえつって急いで はらったというエグめのギャグを会う人会う人に笑いながら話すが、笑ってくれるのは数名である。これでいいのだ。

「以下の文章は拡散しないでほしい。笑」
この日記を読んでくれている人だけに伝われば良いのだが、ツイッターにはうんざりした。PTSDになりかけの俺が放った精一杯の「そんなことより家は大丈夫なん?」一点待ちのボケに対して、ツイッターにいる人達が頭が良いのか悪いのか知らないが、文字に対するコメントばかり。800万人が見て、3万人がRTして、9万人が「いいね」してこれかよっていう。笑 正直、予想通りでもあるけれど。タイムラインにおける知は消費されるばかりだから、せめてなんとかしてみようと歴史博物館に連絡したが、要らないという。大家も。悔しくなった俺は落ちた壁を避難先の実家に持ち帰った。というのが後日談。わざわざくだらないコメントをしてくる奴らや「うちの壁も壊したら出てきたらいいのに」なんて言いのける奴の家の〇をトンカチとアイスピックで〇〇〇して〇〇〇〇を貼り付けに〇〇〇とも思ったが(閲覧者800万人に対して晒しあげるようなエグい返信で我慢しようともしたが)やめた。(爆笑)  被災者が、被害者が、何でもしていいわけではない。とりあえず数日は、増えていく「いいね」を見つめながら何をするでもなく座っている状態であった。今は大丈夫。この間に何があったかは小出しにしていこうと思う。いま伝えたいことはそれだけ。面白いことは何もない。いや、1つあった。「風呂の壁」が、家計学園に次いでトレンド9位になったこと!

ツイッターは、日記の更新通知以外は呟かないかもしれない。それどころじゃないし、二次災害レベルで被害を受けたし(呟きを消さなかったのは、これキッカケで安否確認できた人や、笑ってくれたり、ホッとしてくれた人がいたから。道化を演じて皆が喜んでくれるなら本望)。俺を気にしてくれるあなたは、ここにポエジー家族を読みに来てください。あなたと同じくらい待っています。展望台より愛をこめて。