Who Killed German Fries?

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サイを4匹ずつ縦に並べながら、背の順とはなんだったのかを考え、4列からそれぞれ垂れ流された尿の道筋を辿りながら、飲み過ぎた昨夜のことを思い出す。


荒れ狂ったフーリガンにサポーターとしての純粋な喜びを思い出させながら、そもそもフーリガンこそが最も純粋なのではないか、そんな考えがよぎるも、気付いた時には殴られたあとだった。面食らった俺たちは、温かな痛みを快感に変えるすべを知っていたので、冷えていた体をどうにかすることができた。山奥億夫は口にビールを含み背中に生えた羽を懸命にむしりながら宙に浮いており、俺は太陽のそばの楽園で燃えていた。

エマは滑らかに俺の前を横切り、ずっとチカチカと点滅している。

「煙草になにが入っていたのか?(who killed German fries)」

俺たちは水色の液体を吐きながら、ファミリーマートで踊っていた。
「今朝に食べたパンのことを思い出したの。レタスを抜いたと思っていたけれど、入っていたわ」
「整列、敬礼」
「なんでこうも匂いというのは残るのかしら」
「防護服を着用して、今すぐ構えなさい」
レモンピールの減装弾を込め、赤茶色の肉に向かってひたすらに撃ったが、固すぎるなにかに阻まれている。
「硝煙反応でバレちゃうもの。私が男だってことは。だってそもそも男の体臭とこれが合わさった匂いが、女の子のソレと一緒なわけないじゃない」

言葉をなくした教官はバターのような汗をかくほどにブチ続けたが、意外にも助けたのは4列で突進してくるサイで、口にシャツの襟をくわえられてぶら下がっているフーリガンが教官の頭蓋骨を鉄パイプでかち割った。

教官が目を覚ました時、ポケットにはジャガイモがひとつ入っており、俺と山奥億夫はそれを見て笑った。