バイシクルレース(エマが眠るまでの)


エマを眠らせる為に肩に塗ったアロマは、蓋を開けるたびに日本の鳥の数を1匹だけ増やす効果(※俺調べ)も有り、今回が20回目の使用だった。俺はバードフレンドリーコーヒーよりも良いことをしているという自負で満ちているがエマは眠らない。


ボヘミアンラプソディ』を山奥億夫と観に行き、右耳がトルコ風呂に染まっている間に心は萌えていた。歯は隠れ、左耳は誰かの愛を覗き見ている。栄光と転落は余りにドラッギーで、満ちみちた生だったのか、みち満ちる性なのか考えるまでもなく観客は、フレディとは対極のヘルシーさで泣いたり喚いたりする。

移動の度に、度々旅に出る若い職人の事を思い出していたが、買いそびれた『死都調布』を見つけた時には、ピストルに取り憑かれた人の多さに呆れるばかりか「はじき」と「こじき」は同じくらいいるんじゃないかという仮定ばかりか、はじきのこじきばかりじゃないか。

「ベイビー、このままどうにか」
眠りについてほしい。夢で逢うから勘弁してよ。



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